

私たちは、長年の支援現場の経験から、「傾聴」だけでは問題の核心に到達しづらく、解決までの道のりが遠くなることを実感してきました。精神科医カール・ロジャーズが提唱する高度な三大傾聴法は非常に有効である一方、専門的であり、誰もが実践できる手法ではありません。
そこで私たちは、行政機関や福祉事務所ではなかなか実現しにくい、NPOならではの**「少し強めに背中を押す」支援**をコンセプトに活動しています。ひきこもり当事者のすべてが精神的問題を抱えているわけではなく、「本当は今の状況を変えたい」と願いながらも、一歩を踏み出せずに苦悩している方も多くいます。
私たちは、当事者の苦しみを軽減し、ご家族の負担を和らげ、社会の担い手として再び歩き出すきっかけを共につくりたいと考えています。
傾聴と共感は支援の基盤として大切ですが、当事者にとって価値観の合わない支援や、本人が望まない方向への誘導は、心を閉ざす原因となり、時に強い抵抗を生み出します。
必要なのは、当事者の価値観・生活スタイル・ニーズを丁寧に理解し、その人にとって“リアルで実現可能なプラン”を共に設計することです。
私たちは「一般的な正解」を押し付けるのではなく、生活自立・社会自立・就労自立といった画一的な“右にならえ”の支援ではなく、当事者一人ひとりのマイノリティな価値観やペースを尊重した、自分らしい自立のかたちを大切にしています。
当事者は、今の生活を変えることに大きな不安を抱えています。ご両親が亡くなり、遺産を使い果たした後には、否応なく金銭的困難に直面する可能性が高く、その段階での自立は年齢的にも非常に困難となります。結果として、社会的保護に頼らざるを得ず、選択肢の少ない窮屈な生活が待ち構えてしまうこともあります。そうした未来を避けるためにも、今の段階での支援が極めて重要です。私たちは、本人主体のオリジナルでオーダーメイドな支援を軸に、新しい形の就労準備支援も展開しています。相談や面談は、何度でも無料で受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
どうか、ご家族だけでこの問題を抱え込まないでください。
当事者は、社会の大切な一員であり、未来を担う力を持っています。少しでも早く社会に巣立てるよう、私たちと一緒に取り組んでいきましょう。